この記事では、医療における「吻合」と「縫合」の違いを分かりやすく説明していきます。
「吻合」とは?
「吻合」とは分断された血管や神経などを繋ぐことです。
大きな怪我で血管や神経が切れて分断されると、血管であれば切れた先に血液を届けられなくなり、神経であればその先の感覚がなくなってしまいます。
そうして失われた機能を戻すためにはその切れた両端をしっかりとくっつけ、元通りに縫い合わせる手術が必要です。
そういった分断された血管や神経などを元通りに繋ぐ形で縫い合わせる手術や、それによって元々の機能が戻ることを「吻合」と言います。
「縫合」とは?
「縫合」とは傷口を縫い合わせて塞ぐことです。
大きな切り傷や刺し傷は傷口がふさがりにくいので出血も続きますし、痛みが続いたり空気中の菌に触れやすいことから頻繁な消毒が必要になります。
しかしそういった大きな傷を物理的に縫い合わせて塞ぐと、空気に触れなくなることから傷から感染することがなくなり、治るのに必要な時間が短縮され出血や痛みも早く止まるので、大きな傷は縫い合わせて塞ぐことが現在の医療の基本です。
そして傷を縫い合わせて塞ぐことを縫合と言います。
「吻合」と「縫合」の違い
「吻合」と「縫合」の違いを、分かりやすく解説します。
分断された血管や神経などを繋ぐように縫い合わせるのが「吻合」で、傷口を塞ぐように縫い合わせるのが「縫合」です。
「吻合」はそのままでは失われたままになるその組織の機能を戻すために施されます。
それに対して「縫合」は傷の治りを早くしたり、感染のリスクを抑えたりするためにするものです。
まとめ
「吻合」は血管や神経などをもとに戻すために縫って繋げる手術、「縫合」は傷を塞ぐために縫い合わせる手術と考えると、違いと目的がわかりやすいでしょう。
「吻合」は血管や神経などの機能を戻すためには必要不可欠ですが、「縫合」はしなくてもいいけどしたほうが治るのが早いからするということもしばしばあります。