この記事では、「天然」と「養殖」の違いを分かりやすく説明していきます。
「天然」とは?
「天然」【てんねん】とは、自然のままであること、人工的に作ったり育てたりしていないものという意味です。
「天然」の対義語には「養殖」「合成」「人工」などがあり、商品の性質において「天然」という言葉を用いる場合は、商品または使われている原料が人工的に作られたものではないことを意味します。
一般には水産物の「天然ものと養殖もの」、衣類や装飾品の「天然素材と合成素材」のように対比される形で用いられ、「天然」のほうが品質が良く価値が高いイメージが持たれがちです。
ただ、必ずしも人工的に作られたものより「天然」のほうが優れているとは限らず、「天然」ものは供給が一定しない、高価になりやすいというデメリットもあります。
なお、水産業では稚魚の間だけ飼育して自然界に放流する「半天然」も増えています。
「養殖」とは?
「養殖」【ようしょく】とは、生物を育てて人工的に増やす産業のことです。
主に、魚介類や海草類などの水産物を育てることに対して使われます。
「養殖」は、食用にする水産物を増やすため、あるいは、貝からとれる真珠のように水産物の副産物を商用に利用する目的で行われます。
大きく分けて「海水養殖」と「淡水養殖」があり、「海水養殖」ではのり、ぶり、ほたてがいなど、「淡水養殖」ではうなぎ、ます、あゆなどの飼育が盛んに行われています。
「養殖」される水産物の種類は産地やによっても異なり、国内ではさけ、ます、ほたてがい、うなぎなどの生産量が多くなっています。
メリットは、衛生的で安定した品質の水産物が出荷できること、旬以外の時期にも出荷が可能になることです。
一方、管理費の負担が大きくなりやすい、水産物に病気が出た時に集団感染が起こりやすいといったデメリットもあります。
「天然」と「養殖」の違い
「天然」と「養殖」の違いを分かりやすく解説します。
「天然」と「養殖」は対義語の関係にあり、生物、主に水産物について用いられています。
「天然」は自然のまま、人工的に作られたものではないという意味です。
水産物においては、海や川などに生息する野生の魚介類や海草水を収穫したものを指します。
一方、「養殖」は人工的に育てて増やす産業を意味し、水産物においてはいけすなどで育てて出荷した魚介類や海草などを表します。
「天然」ものは人工的に増やしたものではなく価値が高いとみなされ、「養殖」ものは「天然」ものより安価で品質が安定しているといった違いがみられます。
ただし「養殖」の技術が進歩しており、必ずしも「天然」のほうが良いとも限りません。
「天然」の例文
・『天然のブリは、養殖もののブリよりも身が引き締まっている』
・『天然ものの松茸は希少で、値段もとても高い』
「養殖」の例文
・『リアス式海岸の環境は養殖業に適している』
・『養殖魚は安いので気軽に買える』
まとめ
「天然」と「養殖」は対義語の関係にあります。
「天然」は人工的に作られていないもの、「養殖」は育てて人工的に増やすことです。
主に水産物に対して用いられます。